片付けられない

小学校低学年の息子の机はいつも物で溢れています。誰に似たのでしょう?…答えは分かっています。私です。

 

私も片付けられない人間の一人です。出したら出しっぱなし、一度取り出すとその作業(何日にもわたる作業でも)が一段落するまでは放置してしまいます。そのくせ、次から次に新しいことを思いついてしまうので、机はもはや物置です。

 

言い訳をさせてください。片付けは、非常に高等な技術なのです。みんながみんなできるわけではありません(´Д⊂ヽ

 

机や部屋を片付けるとき、脳のいくつかの部分が協力して働きます。代表的なものを紹介します。

 

前頭葉の外側前頭前野
片付けの計画を立てたり、「どこに何を置くか」を考えたりするときに使います。ものごとを順番に考えたり、自分をコントロールしたりする大事な役割もあります。

 

頭頂葉の上頭頂小葉
どこに何があるのか、空間や位置を正しく理解するために働きます。

 

前頭葉の第一次運動野
実際に体や手を動かして物をしまうときに活発になります。

 

・小脳(しょうのう)
動きをなめらかにしたり、失敗しないようにタイミングを調整したりします。

 

このように、片付けはたくさんの脳部位が協力することで、スムーズにできるのです。

 

片付けができない場合。どこに弱点があるのかを考えて見ると面白いかもしれません。私の場合は頭頂葉の上頭頂小葉だと感じています。ここは空間認知に関与する脳部位です。空きスペースがどれくらいで、何がどのくらい入るかを考えるときに非常に重要です。

 

私は完全に見積もりが甘く、本棚には本が入りきらず、床一面に物が拡がっていきます。

 

散らかった部屋を眺めて見ると、実に平面な使い方をしています。部屋の床と本だなしか使えていないことが分かります。部屋には高さも奥行きもあるのですが、どうやら私の脳はそれをスペースとしてとらえることが苦手なようです。

 

そして片付けるよりも、新しい刺激に衝動的に動いてしまう抑制の弱さにも原因があるかもしれません。これは外側前頭前野(特に右側)の働きです。

 

私や息子が片付けられるように変わるには①片付けることを習慣化する、②作業を細分化して一つずつ行う、などの方法が効果的だと言われています。

 

はーい(^o^)丿。あ・と・で、しまーーす。

 

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赤ちゃんは顔が好き

乳児のそばによると、多くの場合しっかりと目が合うことに気付くと思います。何も教わっていない子どもがなぜ、動く人間の身体のなかで目にしっかり注目できるのでしょうか。

 

乳児は、生まれたばかりでも人の顔が好きで「目や鼻、口が一定の場所にある」特徴や、「上の方に目などが集まっている」(トップヘビー)という形に自然と引きつけられるそうです。赤ちゃんは視力がまだ弱く、はっきり見えていないのに、顔の輪郭や目立つ特徴に敏感に反応するなんて、不思議ですね。

 

様々な点で未熟で「意志」が育つ前の乳児が顔を認識できるのは、脳内の複数の領域、具体的には側頭葉の顔領域だけでなく、(脳幹や大脳基底核などの)皮質下の神経回路も関与しているからだと考えられています。
 
生後5か月頃からは、怖がっている表情や怒りの表情に特に強く注目するようになるそうです。乳児は人の表情から、「今ここ」が安全なのか、危険なのかを感じ取っているのかもしれません。
 

記憶の力を使う前提

乳児の時の記憶を持っている人は少ないと思います。記憶(特に新しいことを覚える働き)に関わっているのが、大脳辺縁系にある海馬です。

 

たとえば、教えてもらったことを覚えたり、友達との楽しい思い出を記憶に残したりするとき、海馬が活発に働きます。記憶が定着してくると、思い出すときに海馬の活動量も少なくなります(代わりに大脳皮質が働いています)。

 

しかし、生後数年間は海馬がまだ成熟しておらず、この記憶機能がうまく使えません。これがいわゆる「ものごころがつく前」ということになります。

乳児が親しい人を覚えていて近づいていくのは、(海馬ではなく)主に顔認知システムや扁桃体の働きだと言われています。

 

ここからはあまり知らない方も多いかもしれませんが、海馬は他の脳部位と連携して(扁桃体を中心とした)情動調整やストレス反応、(視床下部を中心とした)自律神経の調整などにも働いています。ものごころがつく前の海馬では、こちらの機能を中心に使っていると考えられています。

 

このような海馬の働きを知ると、(成人であっても)気持ちが落ち着かない時や、睡眠不足が海馬の働きに影響することが納得できるのではないでしょうか。

 

子どもの記憶力をしっかり機能させるためには、家の中や園などで、安心できる場所や人がいることがとても大切です。また、夜にぐっすり眠ることも欠かせません。

乳児の音環境と脳の発達

耳から聞こえた音がどのように認識されるのでしょう。耳で聞いた音は、まず電気信号に変わって脳に送られ、側頭葉にある一次聴覚野で初めて「これは音だ」と認識されます。

 

この一次聴覚野は、音の高さ(周波数)や大きさ、リズムといった基本的な情報を打ち込む鍵盤のようなものです。たとえば、音の高低を感じられるのは、一次聴覚野がそれぞれの周波数ごとに決まった場所(音の高さによって異なる位置)で反応するからです。

しかし一次聴覚野だけでは、「その音が何なのか」までは分かりません。たとえば、遠くで聞こえた音が「救急車のサイレン」だと分かるのは、一次聴覚野で音の情報を整理し、その後、ほかの脳の部分(聴覚連合野など)で記憶や経験と照らし合わせて判断しています。

 

左右の一次聴覚野の違い

一次聴覚野は左右両方の脳にありますが、それぞれ得意分野が少し違います。

場所 得意なこと
左の一次聴覚野 言葉(日本語や英語など)やリズム、細かな時間の変化の聞き分け
右の一次聴覚野 音楽、メロディー、音の高さや広がり、どこから音がするかなど
 

 

乳児は毎日様々な音を聞いています。騒音や突発的な大きな音のない環境の中で、様々な種類の音を聞く経験を重ねることで、左右の一次聴覚野は発達していきます。

 

日常生活を振り返り、少し音が多すぎるなと感じたなら、大事な音を聞きとりやすいように環境をシンプルにする工夫をしてみるのはどうでしょう。たまにはTVや音楽を消して、お母さん・お父さんが優しく乳児に話しかけたり、歌いかけたりすることは、脳の発達にとって非常に良いことです。

 

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子どもの言葉を育む声かけ

幼児の初語には唇を使った音が多いです。「ママ」なんて生活経験の面から言っても、音の出しやすさ、真似のしやすさから言っても最高のフレーズです。同じ唇を使う音で「パパ」も言いやすいですよ。

 

さて、発音の易しい難しいはありますが、どのような言葉を発する時にも、脳の中では「ブローカ野」という部分が活発に働いています。このブローカ野は、左脳の前頭葉にあり、言葉に必要な動きを計画して口や舌の筋肉を動かす脳部位に「こう動いてほしい」と、動き方の手順を示すような役割があります。

 

さらに、言葉をつないで文に組み立てていくことにもこのブローカ野が活躍します。言い換えると、一つひとつの音作りにも、その音を組み合わせた単語の発話にも、単語を合わせた文の組み立てにも重要な脳部位なのです。

 

幼児期の周囲の言語刺激(親子の対話や読み聞かせなど)がブローカ野の発達を促進すると言われています。

 

 

対話と言われると、何かかしこまったもののように感じられます。しかし、難しく考えなくて大丈夫です。こどもから発信されることがらに声をかけてあげましょう。

 

「何見てるの~?あ り さ ん だね」と子どもの注目に言葉を添える。最初は、対話とは言えないこんな小さな声かけから、言語発達が進んでいきます。

 

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ボールは速いのに、脳の処理はゆっくり

昨日に引き続き、視覚情報の処理についてもう少し書いておきます。


目から入った情報は、脳の中で主に2つの道すじに分かれて処理されています。その一つが、物がどこにあるか、またどのように動いているかを調べる「背側経路」です。背側経路は後頭葉の第一次視覚野から出発して、頭頂葉の上部に向かいます(一部は前頭葉にも向かうそうです)。

赤い矢印が背側経路



背側経路がうまく働くことで、私たちは飛んでくるボールの速さや方向を理解し、体を動かしてキャッチすることができます。お子さんの場合、この経路が発達することで、運動能力や空間認識能力が向上していきます。


スポーツなどで特に実感できることですが、速いボールに対応したり、周囲の動きに合わせて即座に自分の動きを切り替えたりすることは、小学生でもまだ難しいことが多いです。

 

なぜなら、この背側経路の成熟には思春期後期まで時間がかかるからです。こどもがスポーツなどを練習しているなら、「今、背側ルートを育てている途中なんだなぁ」と考えてみてください。急いで負荷をかけすぎず、楽しくスモールステップで進めることをおすすめします。

視覚情報の仕分け屋、第一次視覚野

目から入った光は、網膜(もうまく)で電気信号に変わり、脳に送られます。その信号が大脳皮質の中で最初に届くのが後頭葉にある第一次視覚野です。

 

第一次視覚野は、受け取った情報を線、角度、色、動き、奥行きといった要素に分解していきます。まるで、パズルのピースを一つひとつ仕分けるような作業です。この段階では、まだそれが「リンゴ」であるとか、「お母さんの顔」であるといった認識には至っていません。

 

分解されたパズルのピースの情報それぞれが脳の最後部から前方へ送られていく過程で分析されて、私たちは初めてそれが何であるのかを認識できます。

 

よく考えると、面倒な作業です。全部一度解体してから改めて分析していくなんて

(;´Д`)。脳はなぜそのような回りくどいことをするのでしょう。

 

それは各要素の情報それぞれを分析できる脳の位置が異なるからです。視覚情報は極めて複雑な内容であり、喩えるならば、それぞれの地方で活躍している専門家に各専門分野の資料を届けるような仕事が必要なのです。

 

そのような仕分けを一手に担う一次視覚野。この仕分け作業は、生後数ヶ月から数年にかけて視覚刺激(光、色、形など)を受けることで強化されたりや調整されたりして育っていきます。

 

逆にこの期間を逃してしまうと、視覚情報を適切に仕分ける機能を獲得できずに弱視など、視機能に障害が生じてしまう可能性があります。