乳児の音環境と脳の発達
耳から聞こえた音がどのように認識されるのでしょう。耳で聞いた音は、まず電気信号に変わって脳に送られ、側頭葉にある一次聴覚野で初めて「これは音だ」と認識されます。
この一次聴覚野は、音の高さ(周波数)や大きさ、リズムといった基本的な情報を打ち込む鍵盤のようなものです。たとえば、音の高低を感じられるのは、一次聴覚野がそれぞれの周波数ごとに決まった場所(音の高さによって異なる位置)で反応するからです。

しかし一次聴覚野だけでは、「その音が何なのか」までは分かりません。たとえば、遠くで聞こえた音が「救急車のサイレン」だと分かるのは、一次聴覚野で音の情報を整理し、その後、ほかの脳の部分(聴覚連合野など)で記憶や経験と照らし合わせて判断しています。
左右の一次聴覚野の違い
一次聴覚野は左右両方の脳にありますが、それぞれ得意分野が少し違います。
| 場所 | 得意なこと |
|---|---|
| 左の一次聴覚野 | 言葉(日本語や英語など)やリズム、細かな時間の変化の聞き分け |
| 右の一次聴覚野 | 音楽、メロディー、音の高さや広がり、どこから音がするかなど |
乳児は毎日様々な音を聞いています。騒音や突発的な大きな音のない環境の中で、様々な種類の音を聞く経験を重ねることで、左右の一次聴覚野は発達していきます。
日常生活を振り返り、少し音が多すぎるなと感じたなら、大事な音を聞きとりやすいように環境をシンプルにする工夫をしてみるのはどうでしょう。たまにはTVや音楽を消して、お母さん・お父さんが優しく乳児に話しかけたり、歌いかけたりすることは、脳の発達にとって非常に良いことです。